築46年の部屋を最大限楽しむ暮らし

こんばんは、KDです。

東京の家賃って高いですよね。
設備はともかくとして、狭くてそこそこか、広くて高いか、のどちらかであることが大半です。

よくある6畳1Kではベッドと机を置けばそれでおしまい、
「だけど」、快適に暮らしたいと思うと2部屋はほしい、
「だけど」、高い。

賃貸サイトを睨み続けて数か月、ようやくそこそこの家賃でそこそこの広さの部屋に出会い、社会人二年目からの住処を決めることができました。

安さの裏には当然理由があります。

その部屋は、広い代わりに築46年という、なかなか住むには勇気のいる築年数でした。以前住んでいた新築の部屋とくらべると、やはり至る所で古さを感じ、当然ながら不便に思うところもいくつかありました。

それでも、1年間暮らしてみて、その不便さと向き合っていると、不便さすらもかわいく思えてきたりします。今回は、そんな築46年の部屋の楽しみ方をご紹介したいと思います。古い部屋での生活に不便さを感じている方、引っ越そうと思っているけど築年数を理由に迷っている方の参考になれば。

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1.一人暮らしには少し広い2DK、築46年

それでは、愛すべき我が家をご紹介します。

さきほどの通り、築46年ととても古いマンションですが、鉄筋コンクリート造のため、隣人の音は気になりません。

家賃は相場通りですが、間取りはダイニングと寝室がそれぞれ6畳の2DKで、一人暮らしにしては少し広めです。数年前にリノベーションされていて、内装はそれなりにきれいです。設備は、風呂トイレ別、独立洗面台あり、室内洗濯機置き場あり、エアコンありと、一人暮らしには十分なスペックです。

このマンションに住んだ決め手は、それなりの家賃に対して、少し広くて十分な設備があること、そしてなにより、建物の見た目でした。

マンションらしくない独特の面構えと、壁に敷き詰められたタイルが特にお気に入りで、多少住みづらくてもこれだけかわいければ許せるかなと思いました。

マンションらしくない外観
間取り図

2.広くてかわいい、けど微妙に使いづらい
実際に住んでみると、よいところもありましたが、古いなりに不便なところにも気づきます。

・家具が微妙に置きづらい
家具を置こうとすると、その間取りの絶妙さに気が付きます。

まず、冷蔵庫の適切な設置場所がないということ。それらしき場所として、流しの背後に少し窪んだ部分があるのですが、そこに置くと、キッチンにひとつしかない窓を半分覆ってしまうのです。冷蔵庫が普及する前の家というわけでもないし、以前の住人はどこに置いていたのかわかりませんが、結局、備え付けの棚を半分潰して冷蔵庫を置くことにしました。その棚の内部には普段は取り出さないような災害用の缶詰などをいれています。

冷蔵庫の定位置

また、玄関には靴箱置き場がないということにも驚きました。本来、靴箱があるべき場所は洗濯機置き場になっているのです。しかたなく玄関にラックを購入して設置することで対応し、そのために靴の数も少し減らしました。

・室内側についている網戸
最近の賃貸では、網戸が窓の外側についていることがほとんどかと思いますが、うちの網戸は室内側についています。網戸は雨風に直接あたるものなので、室内にあるのはあまり気持ちのよいものではありません。これに関しては、こまめに掃除することで対応するようになりました。

推測ですが、これら「冷蔵庫を置いたらふさがる棚」や「室内側にある網戸」は、リノベーション時に取り付けられたものだ思われます。古い家なりに現在の暮らしにあわせて改良されているものの、対応しきれずに上記のうような使いづらいところが出てきているのかもしれません。

ただ、その間取りに合わせて自分の暮らしを少し変えてあげることで、住むうえでは問題を解決していく楽しさがあるのです。


自分の暮らしを家にフィットさせていく面白さは、古い部屋に住んでこそ味わえるものでもあるのかなと思います。少し不便な部屋と自分の生活が混ざりあって、住人の個性がでやすいとも言えるのではないでしょうか。

靴箱を置く場所がない

3.季節にあわせた暮らし

住み始めてからしばらくして、これまでに書いたような間取りの問題はだいたい解決しました。ただ、住んでしばらくは気づかなかった古い建物ならではの大きな課題が、季節が変わるにつれてわかってきます。

当たり前ですが、古い建物は、季節の影響を大きく受けやすいということです。冬は外と同じくらい寒く、夏はビニールハウスのような暑さ。新しいマンションほど断熱性能がよくないため、室内環境が季節に大きく左右されます。50年ほど前の東京の夏は、この家でも快適に過ごすことができたのだろうか。

冬と夏は、どちらもエアコンなしでは過ごすことができません。寝室にはエアコンがありますが、キッチンにはエアコンがないため、季節にあわせて工夫をする必要がありました。

この部屋に暮らし始めた最初の秋は、どちらの部屋でも快適に過ごせていましたが、冬になると大きな窓からの隙間風がひどく、快適な暮らしには程遠い状況でした。部屋を暖めてもどんどん暖気が外に逃げていってしまうため、DIYでダイニングテーブルにヒーターを取り付け、こたつにすることで解決するようになりました。

春からはしばらく快適な生活を送ることができましたが、夏がやってくると、暑さでどうしようもありません。部屋が南向きのため日中はとにかく暑く、エアコンのある寝室にキャンプ用の机を置くことで、寝室をワークスペースとして代用するようになりました。

1年間住んでみたことで季節に合わせて自らの生活に少しずつ工夫を加えていくことで上手く住みこなしていくことができるということを体験しました。

こたつを自作

4.築46年の部屋を住みこなすということ

築46年の部屋に住むくらしをご紹介しましたが、築年数の古い部屋のメリット・デメリットを整理すると以下のようになります。

<メリット>
・相場よりも家賃が安い
・家賃のわりに比較的広い、設備が充実している場合が多い
・建物自体に味がある

<デメリット>
・家具の配置が難しい
・窓などの設備が古い
・季節によって気温が大きく変化する

築年数の古い部屋を選ぶメリットは、なんといっても建物のグレードに対する家賃の安さです。
1Kの相場ほどの家賃で設備や広さの充実した家に住むことができます。

また、ここに記載しているデメリットに当たる項目は、家具のレイアウトの工夫や、季節にあわせて生活を少し変えることで、楽しく部屋を住みこなすという体験へと変わります。

家具のレイアウトや一人暮らしの生活に特化してデザインされた最近のマンションより考えることが多いため、楽しみながら生活していけると思うと、デメリットすらもむしろメリットに感じられるかもしれません

つい新しい部屋を好んでしまう方も多いかと思いますが、古い部屋には今の部屋にはない住みこなしがいがあり、気に入った部屋ならそこもまたかわいく思えます。

築年数の古い部屋に住んで困っている方、古さを理由に最初から古い部屋を引っ越し先の候補から外してしまっている方も、少し考え方を変えて、その不便さを解消することを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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toshinismでは、ルームシェア生活での発見や気づきを軸に、広く都市に住まうことについて発信していく予定です。

皆さんが当たり前に行っている日々の暮らし。

それは、たかが暮らし、されど暮らし

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それではまた!

筆:KD

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