部屋探しの価値観

こんばんは、UDです。

今回は、僕たちがルームシェアの部屋探しの中でぶち当たった壁や、実際にどのように部屋を決めたのかについて紹介していきます。

…と、突然ですが、質問です。

みなさんは、部屋を借りる時、どの条件を一番大事にしますか?

部屋を借りた経験がある人はお分かりかと思いますが、「部屋を決める」と一概に言っても、決める上での条件は山ほどありますよね。

まずは、沿線、駅からの距離、築年数、賃料、間取り、広さなどの基本的な条件。さらに細かく見ていくと、独立洗面台の有無、ガスコンロ or IH、都市ガス or プロパンガス、、、などなどキリがありませんね。

何かを得る代わりに、何かを失う」。部屋探しなんて、いわばエゴとエゴのシーソーゲーム。優柔不断な僕にとって、部屋探しは結構ストレスです…(いろんな間取りを見て生活を想像するのは楽しいのだけど、選択肢が多すぎる)。

色んな価値観がある中で、僕たちが大事にした部屋探しの価値観について書いていきます。

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前回の記事でも書いた通り、僕たちは就職前にルームシェアをすることを決めたわけですが、修士論文や卒業旅行などでお互いの予定が合わず、物件も決まらないままに3月がやってきてしまったのでした。

急いで会う機会を作り、まずは「どういう条件で探すか」を二人で話し合いました。

最初に出た条件は4点。

<最初の主な条件>
・お互いの職場の徒歩圏内
・一人一部屋
・築20年以内(水回りが汚いのはイヤ)
・低層階

この4つの条件に当てはまる物件をインターネットや現地の不動産屋を通じて探し始めました。

ルームシェアだからといって、突飛な方法で部屋を探すわけではなくて、普通の部屋探しと同じです。そんなある日、不動産屋さんにてそもそもルームシェアを始める上での大きな壁があることを突きつけられました。

「二人入居可」≠「ルームシェア可」

二人で住むのだから当たり前のように「二人入居可」と掲載されている物件を見ていたのですが、なんと驚くことに、不動産情報に書いてある「二人入居可」は、そのまま「ルームシェア可」ではないんです。

ここでいう『二人』とは、基本的には兄弟姉妹や家族もしくは入籍を前提としたカップルのことを意味しているというのです。

その理由は、部屋のオーナーが家賃を回収できないリスクを負えないから、ということだそうです。

たしかに、友人や恋人同士の場合、喧嘩別れとなるなど先行きが不透明なので「家賃の回収ができない」というオーナー側のリスクがありますよね。そういう意味で、簡単に別れることがない関係性である兄弟姉妹や結婚前提のカップルが「二人入居可」の対象ということです。

「シェア文化」が浸透しない日本の背景には、オーナー側のリスクという要因があったのか、と一つ勉強になりました。

という訳で、ルームシェアできる物件は「二人入居可」と書かれているだけでは不十分で、不動産屋さんから管理会社に電話してもらって、友人同士のルームシェアが可能な物件かどうかを聞き、許可が出て初めて物件候補となるという流れです。

まさかルームシェアを始める前に、こんな障壁を実感することになるとは…。

「二人入居可」をネットで調べたところ、ちゃんと書いてありました笑

2人入居可とは
一般的に、ワンルームや1LDKだとひとり暮らしが想定されますが、そこに2人で入居することを許可している物件のことです。

現状の契約書の多くは、家族ではない人との同居や借りた部屋をさらに他人に貸すことなどを禁止しています。ですから、一人暮らし用の物件で勝手に友だちとルームシェアなどはできません。

キャッシュバック賃貸より

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慣れないながらも、部屋探しを進めていくと、僕たちの物件を見る目も徐々に研ぎ澄まされていきました。それは、どういう条件が大事なのかということもありますが、おおよその相場感が分かってくるということでもあります。

そして、薄々気づいていた二つ目の壁にぶち当たります。

「一人一部屋だと、いい値段する。」

当たり前といえば当たり前ですが、都内で一人一部屋、つまり2Kとか2DKといった「寝室が二つある部屋」にしようとすると、結構いい値段するのです。

正直、新卒の駆け出しからそんなに家賃にもっていかれるのでは、生活も厳しい…。

家賃という壁の前に立ちすくむしかない僕たちは、多くの子どもたちが遊ぶ昼過ぎの公園の端っこでもう一度このルームシェアの目的を考え直すことにしました。

「一人一部屋なくても、暮らしていけるのでは。」

なぜルームシェアを始めるのか」という最初の想いに立ち返ったときに、これから住む部屋は、これまでみたいに普通の生活をする場所というよりは、大学の研究室のような、活動の拠点となる場所がいいんじゃないかという考えが出てきました。

研究室について説明しますと、日本では一般的に理系の大学院生は一つの研究室に所属して、その研究室を主催する教授のもとでプロジェクト研究に参加したり個人の論文を書き上げたりします。研究室は、教授や研究員、大学院生のデスクがあったり、みんなで打合せをする大きな机があったり、膨大な資料や模型が保管されていたりして、あらゆる知が濃密に蓄積された空間なのです。

大学院生は、学生時代のほとんどをこの研究室で過ごすといっても過言ではありません。プロジェクトや研究が忙しければ、泊まり込みで作業をすることもあり、床に寝袋を敷いたり、複数の椅子の上に体を横にしたりして、研究室に住む人もいます。笑

こんなイメージです

そんな大学院生活を送った二人だったこともあり、『一人一部屋なくても、全然暮らしていけるのでは』という発想に結びついたのです。研究室に比べたら、お風呂が付いてるからいつでもシャワーを浴びることができるし、キッチンで料理ができるし、柔らかい布団でぐっすり寝ることもできる。研究室と同じような場所としても、圧倒的に質の高い暮らしができる気がしてきました。

「最小限のプライベートスペースで都市を住みこなす。」

問題は、自分の部屋(プライベートスペース)がない家で本当に2年間暮らしていけるのかということ。ただしこれについても、『お互い都内に実家があるのだから、プライベートが欲しくなれば週末だけ実家に帰省すればいいじゃん!』という結論で落ち着きました(今書いていて思いますが、当時はだいぶ挑戦的な考えを持っていたんだなあ笑)。

一方で見方を変えると家の中のプライベートスペースが小さいほど、都市に出て生活をする時間も増えるかもしれません。家にないものは、都市から借りて住めばいいのだから。

これは、僕たちがなぜルームシェア をするのかという活動の目的にも合致するように思えました。

ということで、一人一部屋という条件を捨て、部屋探しを再開しました。

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「最後の決め手は、周囲の環境」

ここまでで整理された条件は以下のとおり。

<主な条件(改)>
・お互いの職場の徒歩圏内
・築20年以内(水回りが汚いのはイヤ)
・低層階

しかし、気付けば、3月も半ば。残された時間はもうわずか。

もう候補は出され尽くしたかと思いましたが、最後の最後で、これまで目につけていた千代田区内ではなく、千代田区に隣接する新宿区飯田橋の物件も新たな候補として出てきました。

不動産屋さんからオーナーに問い合わせてもらうと、「ルームシェアOK」とのことで、早速内見へ!

物件の場所へは神楽坂下から伸びる神楽坂通りを登っていきます。

神楽坂通りから一本脇に入ると、ガラッと落ち着いた雰囲気に変わりました。飲食店や銭湯、石畳の路地が交わる素敵な小道を歩いて行きます。

大学生活6年間で国内・国外の色んな都市を見てきた僕たちは、都市を見る目はちょっと肥えていると自負しているのだけど、この建物までのアプローチに顔がにやけてしまうくらいにはビビッときた。

部屋は、集合住宅の一階の一番奥の一室。

ギリギリ20年以内だけど、部屋の設備はきれいで、加えて庭付き。家賃も相場より安め。

他に残った候補として、千代田区内でより職場に近い、築浅でちょっとお洒落な部屋もあったのだけど、やっぱりこの周囲の環境に一目惚れしてしまったのでした。

1階の部屋はジメジメすると言うけれど、1階だからこそ街に出ていくことが億劫にならないなあと考えてしまうほどに、ポジティブになっていましたね。

ということで、僕たちは住む場所を神楽坂に決めたのです。

部屋を決めるはずが、最終的にはまちを決めていたのですね〜。

自分の部屋がない生活への不安は最後まで残りますが、勇敢な戦士のように進むことに決めました。

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「おまけ 〜間取りのご紹介〜」

最後に、僕たちが2年間暮らした部屋のスペックを簡単に紹介します。

<基礎情報>
間取り :庭付き1SK
面積  :約32㎡+約10㎡(庭)
建物構造:RC
築年数 :18年

平面図

特徴としては、

寝室(1)、納戸(S)、キッチン(K)が襖(ふすま)で仕切られているだけなので、襖を取り去れば一体的な広い空間にできたり、奥行きのある出窓があったり、東側に面した8畳程度の庭がついていたりとこれから工夫次第で面白そうなことができそうなところ。

気になる水回りは、浴室・洗面・トイレが別々となっており、キッチンもなんとガスコンロ3口!

反面、絶望的な収納の少なさをどう克服できるかが鍵となりそうです。

この図面を見て、男2人のルームシェアが想像できる人は少ないと思います笑。

当時の僕たちでさえ、かなりチャレンジングだと思っていました笑。

果たして、2年間住めるのか、住めないのか。

楽しみと不安、2つの想いを抱えて、とうとう4月、僕たちは社会人になり、同時にルームシェア生活の幕が開けたのでした。

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toshinismでは、「ルームシェアをしてみてわかったこと」や「東京・神楽坂に住んでみてわかったこと」など、どんどん発信していく予定です。

ご興味関心のある方は是非ご覧ください!

次回は物件の最後の決め手となった周辺の環境について紹介します!

それではまた!

筆:UD

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